実行編 5月15日 土曜日 晴 『29番~32番』
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いつも通り5時に起床。今日で2週目に入る。高知のモンベルには10時に行くことにする。折角なので、不要と思われる荷物を整理し、シートパックにまとめて、高知から自宅に送り返そう。中身は厚地の長袖ウエア、ヘアドライヤー、折り畳み傘、その他小物類。
7時に宿を出発し、隣の山田駅構内のパン屋で朝食をとる。ここの売店には、飲食できるスペースが併設されていた。
国道195号線の旧道を南に進み、香美署の先で細い遍路道に入る。脇に用水の流れる道を進み、県道45号線で右折して計画したルートに乗る。遍路道に入るとき少々行き過ぎたが、ほぼ迷わずに走ることができた。
第29番の国分寺は田んぼの中にあるお寺である。山門も、本堂も、大師堂も、修復されて入るものの、建立当時の姿を残している数少ないお寺である。本堂の屋根は茅葺きで、温かみを感じる。山門の仁王も表情豊かであった。
国分寺を出て、道案内に従い県道384号線に向かう。途中、田んぼの中に鷺が群れて遊んでいた。
384号線に出る直前の交差点で、信号待ちの間に、隣に止まった車のおばさんに、第30番札所の善楽寺への道を聞く。間違えていないようだ。途中に逢坂峠という上りがあり大変ですと教えてくれる。実際にはそれほどでもなかったが。
384号線は、7km先の善楽寺を経由して、高知市まで一本である。善楽寺は街中のお寺という風情である。大師堂は元の場所から少し移動させられたようだが、昔の姿をよく残している。
そういえば、29番、30番で、クロスバイクに乗った70歳くらいの自転車遍路さんに会った。ゆっくり歓談するほどの時間がなかったが、のんびり無理せず回っているという。結構達者な方のようにお見受けした。その後一度もお会いしなかったので、相当前を走られたようだ。
9時少し前に善楽寺を出、9時半には高知駅に着いてしまった。モンベルの場所を携帯で調べると、今しがた通り過ぎた地点であることが分かった。開店までに少々時間があり、駅の周辺を散策した。高知には、新婚旅行と仕事で2回来ているが、駅には来たことがない。
10時の開店に合わせてモンベルを訪問する。用件を伝えると、既に昨日の話が伝わっていたようで、直ぐに宅急便の届く時間を調べてくれた。発送元の高松の店に電話し、伝票番号など確認したりして手間取ったが、11時には配達されるとの事であった。荷の到着を待つ間、店内の商品を見て回る。自転車用グローブと、簡易リュックの入るゴアテックスのスタッフバッグ、それに、時計のベルトに装着できるコンパスを購入させていただく。スタッフバッグはその後の行程で非常に役に立った。また、乗っている自転車のシフターがロータリータイプであり、ここまでグローブをはめずに来たので、手ががさがさになっている。これで少しは楽になるかもしれない。
11時10分前に宅急便が到着。早速、店のレジカウンターで新品のバッグから部品をはずし、店の外で破損したものと付け替える。遅れて出勤してきた若い店員さんが、心配そうに様子を見に来てくれた。彼が昨日対応してくれた田中さんであった。無事、部品交換を済ませて会計してもらう。宅急便の出せそうなコンビニがないか聞くと、モンベルからも発送できるという。返送品をまとめたシートパックをお願いし、昨日からの対応のお礼をいって11時40分に店を出る。
今日はバッグの修理などで先が読めず、昨晩、桂浜の手前の民宿に宿を手配していた。桂浜にある宿にも何件か電話したが、竜馬人気や土曜日ということもあり、いずれの宿も満室であった。宿までの行程は短く午後の時間は十分にあり、はりまや橋界隈を散策することにした。半分観光気分である。
とりあえず昼食をとることにし、はりまや橋近くの商店街にある“新鮮土佐料理とさ市場”という店に入る。昨日食傷気味になったにも係わらず、かつおたたき定食を注文してしまった。これはこれでおいしくいただいたが。
食事後、国道32号線を東に向かい、第31番札所・竹林寺のある五台山を目指す。五台山の南側を迂回し、五台山小学校の門の前に自転車を停めて、遍路道を登る。
遍路道は一人占めである。これまでの遍路道はどこもそうだが、ほとんど直登である。ただ、標高120mほどなので、気分よく登れる。
お寺もいい雰囲気であるが、眺望も素晴らしい。境内には総檜作りの五重塔が建っている。元は三重塔だったそうだが、台風で倒壊し、昭和55年に建立されたという。ゆったりとお参りし下山する。
次の第32番禅師峰寺に向かう。途中、石土池の湖畔を通り、遍路登山口に至る。
ここも寺まで歩く。考えてみたら、結構山寺の遍路道を歩いてきた。登りは大変だが、どこも素晴らしい。毎日サイクリングとトレッキングの繰り返しである。寺は標高82mである。
寺からは桂浜方面が眺望できる。
32番の後、桂浜方面に向かう。まだ時間の余裕が十分あるので、33番の雪蹊寺を打つことにした。しばらく走ると、県立の種崎千松公園に至り、突然に激坂がでてきた。桂浜へ渡る浦戸大橋である。かなり高い。これを渡ると、宿に戻るのにまた越えなければならない。今日は観光と思い直し、坂の途中で引き返して宿に向かった。
手配した宿は、浦戸大橋のすぐ下にある”民宿千松”である。普通の民家で、80歳近いと思われるおばあさん一人で営業している。昨日ホテルから予約した時はなんとなく不安な応対であったが、小綺麗なとてもいい民宿であった。因みに客は一人。洗濯まで面倒を見てもらった。お遍路相手というより、夏場の海水浴客がメインの宿のようだ。自宅にいるような感じで、のんびりと風呂に浸かり、ゆっくり夕飯をいただく。おかずはやはりかつおである。これから先も、季節的にどこでも旬のかつをが食前にのぼるだろう。嫌いではないので、おいしくいただく。
今日は不幸中の幸で、骨休みになった。お寺参りの作法にもだんだん慣れてきた。明日も天気が良さそうなので、そこそこ頑張ることにしよう。
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